困ったお客さん
いや、憎いとかそういうんじゃなくて、
俺の理解力の無さも含めて、ただ困っただけ。
店舗は毎日が事件の連続のようなもの。
いろんなコトがあったなぁ~
・エヘン虫に効く薬
エヘン虫にはヴィックスドロップ。
DNAレベルに刷り込まれるほど、
TVCMで洗脳され続けました。
そんな風に洗脳されたお客さんがご来店。
「店長~お薬お願いしま~す」と呼ばれて行ってみると、
そこには40代中頃の女性が。
お客さん「エヘン虫」に効く薬ちょうだい!」
TVCMやってる商品が欲しいって質問は日常茶飯事。
お客さん本人も何の商品かわからないまま、誰々がCMしてた商品なんだっけ?
などと、あらゆる推理力・洞察力を要求される質問をバンバンしてきます。
その質問に答えるのが俺たちスタッフの役目。
大体のコトは手段を駆使してお答えします。
いろいろ難しい質問もあるけど、今回のは超カンタン。
だって、エヘン虫にはヴィックスドロップだってことは、DNAレベルで刷り込まれてるから。
俺 「ヴィックスドロップになりますね。何味がお好みですか?」
お客さん 「あぁ~これがそうなの!何味がいいかなぁ~」
と言って、お客さん裏の効能書きを読み始めました。
すると、どうにも浮かない顔・・・あれ?違う商品が欲しかったのかな?
このパターンで良くあるのは、
ドロップじゃなくて、ちゃんとした咳止めが欲しいってパターン。
その他にも色んなパターンがあります。
お客さんの表情を見ながら、俺の頭の中で色んな薬が思い浮かびます。
するとお客さんから・・・
「これ、効能にエヘン虫って書いてないけど・・・」
またぁ~お客さんったら冗談上手!
山田君読んで座布団持ってきてもらうよ。ウソだけど。
ワリと愉快な雰囲気の中、軽い冗談を交えつつ、
やっぱヴィックスドロップで良かったんだ!と安心してると、
お客さんはやっぱり浮かない顔・・・
お客さん 「ちゃんとエヘン虫に効く薬ちょうだい!」
( ゚д゚)ポカーン
えっ?エヘン虫って病名?
いや、断じて違う!だって資格取るテストに出なかったもん。
それとも、テストに出なかったのは運が良かっただけ?
俺が無知なだけ? 俺以外のスタッフはみんな知ってるの?
アタフタアタフタ・・・店長失格?
冗談はさておき、この件についてお客さんが勘違いしてるのは明らか。
勘違いっていうか、DNAレベルへの刷り込まれ方が尋常でない。
お客さんに恥かかすわけにもいかないし、遠回り遠回りの誘導尋問をしながら
要するに喉のイガイガを取る薬ならなんでも良いということが判明。
あれこれ説明をしながら、とりあえず納得してもらった薬を販売。
機嫌良く帰ってもらったので一安心しました。
でも、お客さんはエヘン虫と言う症状、もしくは虫がいると信じたまま・・・
札幌のある店舗での出来事です。
あのお客さん、今でもエヘン虫の存在を信じてるのかな?